営業マンの中には顧客の課題を認識(問題検知)し、課題解決に向けた商品・サービスの提案までは苦手意識を持たず実施できるものの、クロージングが苦手という方が意外と多いです。
苦手意識が生まれる理由は、断られることに対する不安や、契約を執拗に迫っているような感覚(押し売り)が多いようです。
そんな方に向けて、クロージングの役割、失敗しないクロージングのポイントを解説します。
本記事を読むことで、クロージングに対する躊躇がなくなり、成約率の高いクロージングが可能となります。
安心してください。クロージングは顧客にとっても必要な行為ですので躊躇する必要はないですよ!
クロージングとは
クロージングとは営業における最終段階の契約締結のフェーズです。
営業を行っている以上は、契約を取ることが目的ですから契約締結のフェーズであるクロージングは最も重要なプロセスとなります。
営業のプロセスは通常、以下の手順に沿って行われます。
- アイスブレイク
- 課題認識
- 課題解決の阻害要因認識
- 課題解決の提案
- クロージング
本記事で解説するクロージングは最終段階にあたり、クロージングができなければ、それまでの工程が全て無駄になる程、重要な項目なのです。
クロージングの役割
クロージングの役割は契約締結、受注を獲得することです。
クロージングを行わないことは、その気になっている顧客を「またでいいか。」や「他も比べてみよう。」など、契約から遠ざけてしまう可能性を高めてしまいます。
これはお客様にとっても良いことではありません。あなたは、お客様の課題を解決する提案を行なっているはずですので、その機会を逃すことはお客様にとっても損をすることになるのです。
成約率を高めるクロージングのポイント
成約率の高いクロージングを実施するには、適切なタイミングでのクロージング、クロージング事前準備が重要になります。
クロージングのタイミング
失敗しないクロージングにはタイミングが重要です。
例えば、商品内容伝えることなく「契約しますか?しませんんか?」と無理やりクロージングに入っても成約率が低いことは明白です。
クロージングに入るまでには最低限、以下の説明を行っておく必要があります。
- 他社商品との相違点
- 他社商品との比較における優位性
- 他社商品との比較において劣後する点
- 他社商品の相場感
- 購入によって得られるメリット
- 購入によって失うリスク
顧客が不安に感じる可能性のある点は少なくとも全てカバーしたうえでクロージングに入る必要があります。
クロージングの事前準備
クロージングの事前準備ではクロージングまでに最低限カバーすべきポイントをフォローしたうえで、テストクロージングを実施することで、現時点での成約見込みと、成約を阻害する要因を把握することができます。
テストクロージングとは、今時点の顧客の成約見込みを知るための重要な作業です。
テストクロージングを上手に使うことで、クロージングの成約率を高めることが可能となります。
厳密に言うと、成約見込みが低い場合にはクロージングに入らず、成約見込みを下げている要因を取り除く作業を行うことで成約率を高めていきます。
具体的話法としては「ここまでの説明で不明な点はないですか?」と単刀直入に不明点がないか確認するか、「購入するとしたら、いつ頃の納品をご希望ですか?」といった成約前提での質問をすることで、現時点での顧客の反応を知ることができます。
これらの質問に対してアクティブな反応(※)が返ってきたらクロージングに入る段階と考えて良いでしょう。
※ 拒絶されず、前向きな反応
信頼を獲得するクロージングのポイント
顧客の不安を解消して背中を押す
お客様に提案をした後の、最終確認のパートではお客様の不安を汲み取って背中を押してあげることが重要です。
クロージング段階の顧客の不安とは、
- 他の商品と比べて高くないか
- この商品のデメリットはなんだろう
- 他の類似商品との違い
これらが代表的な不安要素となりますので、これらをカバーして顧客の背中を押してあげる必要があります。
不安要素の具体例を見ていただければ分かると思いますが、顧客の抱く不安とは、「類似商品との違い」である場合がほとんどです。
基本的には、いくつかある商品やサービスの中から1つの選択をすることになるので、「本当にこの商品で良いのか」という点をフォローすることが、顧客の不安を解消して背中を押すことに繋がるのです。
契約後のベネフィットをイメージさせる
何かを契約する際、お客様は目的を持って契約します。
契約後のベネフィットをイメージさせるとは、お客様の目的が達成できることをイメージさせるということです。
経費削減につながる設備の導入であれば、具体的に「○○円経費が削減され、キャッシュアウトが減ることにより、余裕のある資金繰りが可能」というような具体的なベネフィットを提示することで成約率が飛躍的に上がります。
ベネフィットってなに?と思った方は、こちらの記事でメリットとベネフィットの違いを解説しています。
最終判断を仰ぐ
クロージングは最終契約を決定して、実際に契約事務を行うパートです。
しかしながら、「社長、契約お願いします」といった、お願いセールスは厳禁です。
クロージングのポイントは「信頼を獲得しながら契約する」ことです。
お願いセールスで契約をすれば、一度契約できたとしても、後日解約につながったり、長期的な取引とならないことも多いです。
長期的な取引につながらないことは安定した事業収入にならず、結果として、あなたにとっても、あなたの会社にとっても良い取引とは言えません。
まとめ
買って欲しいという考えが前面に出てしまうことから、クロージングに苦手意識を持つ担当者も多くいますが、クロージングの役割と、クロージングまでの道筋をしっかりと考えてクロージングに入れば、自然なクロージングを行うことができます。
また、テストクロージングにより、成約見込みを把握してクロージングに入るか、もう一度プレゼンを実施したのちにクロージングに入るべきかを把握することも可能です。
成約見込みを高めた状態でクロージングに入ることで失敗しないクロージングが可能となり、クロージングに対する抵抗もなくなると思います。
成約率を高める話法については下記の記事も参考になりますのであわせて読んでみてください。
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