会社の利益とお客様の利益は、多くの場合、相反するものとなります。
それは、お客様はできる限り「品質の良いものを安く買いたい」と考えている一方で、会社は「品質の低いもの(原価の安いもの)を高く売りたい」と考えています。
お客様と直接対峙して、価格交渉を行なう場面も多い営業職のみなさんは、会社の利益とお客様の利益のどちらを優先していくべきか悩んでいる方も多いと思います。上司から価格の引き下げが承認されないと悩んでいる方もいると思います。
そこで、本記事では営業マンのみなさんが、営業活動を行なう中で、お客様の利益と会社の利益のどちらを優先すべきかを解説します。
結論
早速、本記事の結論になりますが、「会社の利益とお客様の利益のどちらを優先すべきか」という問いに対する答えは両方です。
がっかりした答えになるかもしれないですが、どちらも優先すべきであり、バランスがとても重要になります。
私が知る限り優秀な営業担当者は、お客様の利益を追求することこそが、会社の営業成績につながることを理解しています。
そのためにお客様の話をよく聞いて、お客様の課題を把握し、課題解決につながる提案を繰り返すことで結果はついてくるのです。
お客様の利益のみを追求すると
冒頭にも述べたとおり、お客様の利益と会社の利益は相反関係にあります。
お客様はサービスや商品の対価としてお金を払いますが、安くて品質の良いサービスや商品であれば、顧客満足度が向上するでしょう。
しかしながら、そればかりを追求していたら会社として成り立たなくなってしまいます。
例えばパン屋で500円の価値があるフランスパンを、お客様の利益を追求するため、250円で販売したとします。お客様は半額の250円で購入できることで満足度が高まります。
そのフランスパンにより、売上高も2倍、3倍になるかもしれません。しかしながら、そのフランスパンは250円で売っても、儲けが出ないとすると、会社は売上が2倍、3倍になり、忙しくなった割に儲けが出ない状況になり、従業員は忙しくなっても給料は増えないことにつながります。
この状況が長引けば従業員満足度は著しく低下し、離職者の増加につながり、会社として存続できなくなります。
そうなることは、フランスパンを楽しみにしているお客様からすれば、とても残念なことであり、最終的にはお客様満足度の低下につながるのです。
商品やサービスに見合う適切な対価を受け取れば良い
それではどうすれば、お客様満足度の向上と、会社の存続が両立できるのでしょうか。
それは、提供した商品やサービスに対する適切な対価を受領しながら事業を行なうことです。
商品やサービスを提供することでお客様は何かしらのメリットを必ず得ています。その対価として代金を受領することに引け目を感じる必要はありません。
仮に、そう感じてしまうとすれば、それは恐らく「お願いセールス」により契約をした場合でしょう。
営業の本質である、利益の提供のための手段として、サービスや商品を提供したのであれば、お客様が得た利益に対する対価を、堂々と受け取ればよいのです。
まとめ
顧客利益のみを重視すれば、会社は利益を出せず、会社が立ち行かなくなります。
一方で会社利益のみを重視すれば、顧客満足は低下し会社は立ち行かなくなります。
どちらかのみを重視した場合には、どちらにしても会社の存続が厳しく、結果的に顧客満足度の低下につながるでしょう。
ですので結論は、顧客重視、会社重視のどちらも間違いではなく、バランスが重要となります。
お客様に所謂「お願いセールス」をしてしまうと、その時点で会社重視の取引感覚に陥り、代金を受領することに引け目を感じてしまうことに陥ります。
なので、顧客の利益、会社の利益のバランスを取るためにも、営業の本質をブラさない、顧客の利益を第一に考えた提案をしていくことが重要になります。
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