行動経済学とは?人が意思決定するまでのプロセスを知ることで営業効率アップ!

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マインド編

最近話題の行動経済学を知っていますか?知っているとしたらビジネスに使えていますか?

行動経済学は1980年代に確立された比較的新しい学問です。この「行動経済学」ではこれまでの経済学では説明しきれない人間の行動を「心理学+経済学」の形式で説明しています。

この「行動経済学」を学び、営業に取り入れることで消費者心理の理解が深まりお客様に商品やサービスを提案するためのヒントが見つかります

また、人間の意思決定や行動傾向を分析する学問であることから、営業だけではなくビジネスシーンで幅広く使え、ビジネスにおけるヒントが見つかるはずです。

「聞いたことない」、「知っているけどビジネスへの応用の仕方が分からない」と言う方は損をしている可能性があります。

本記事を読んで行動経済学を理解し、ビジネスや営業を有利に進めましょう。

この記事で分かること
  • 行動経済学ってなに?
  • 行動経済学を営業に生かす方法
  • 消費者心理を知ることで消費者への有効な訴求方法
  • 成果が出ない営業マンが成果を出す方法
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行動経済学とは

人間の行動には、「使用していないサブスクの会費を払い続ける」、「松・竹・梅のコースがあれば竹を選んでしまう」などの不思議な行動があります。

従来の経済学では「人間はできる限り合理的な行動をする」ことが前提として様々な理論が組み立てられています。

人間の意思決定においては、「合理的な選択」の結果、効果・効用の高いもの、将来の利益につながるもの、自身の利益につながるものを選択すると考えられていました。

そうした経済学においては冒頭に述べた人間の不思議な行動は、「合理的な行動」と、かけ離れていることから説明ができない行動となります。

そこで、経済学に心理学の要素を加えることで、人間の不思議な行動を説明できるようにしたのが「行動経済学」(=経済学+心理学)です。

「行動経済学」では従来の経済学をベースに、実際の消費者の行動データを加えることで、机上の空論ではなく、より実態に即した様々な理論が提唱されています。

行動経済学における意思決定方法

「行動経済学」は人間が意思決定をする際の思考に関する学問です。人間の意思決定のプロセスは大きく分けて「システマティック」(熟考)と「ヒューリスティック」(直感)の2種類が存在します。

特に高価なものを購入する際に多くの情報を分析し、多くの時間をかけて検討するのが「システマティック」と言います。

しかしながら、全ての選択をするうえで「システマティック」で行なっていたら手間も、時間もかかり効率的とは言えません。

そこで、高価ではないものや日用品など、こだわりのないものを選択する際には、「過去の経験」、「物事の一面だけ」を参考にして決断をします。これを「ヒューリスティック」と言います

システマティックの具体例

車の購入を想像してみてください。様々なディーラーを回り、多くの車種を検討し、機能面、価格面など非常に多くの情報を収集して検討すると思います。

パソコンの購入についても同様に、様々な家電量販店を回り、機能、価格、メーカーなど多くの情報を収集して検討すると思います。

システマティックの意思決定方法を一言で表すと「熟考」となります。

ヒューリスティックの具体例

スーパーで弁当を買うときを想像してみてください。車やパソコンとは違い、少ない情報量でなんとなく決めていませんか。見た目や最近食べた物などから、「これでいいや!」って感じです。

これがヒューリスティックの特徴である「過去の経験」、「物事の一面だけ」を参考にして決断をする場面です。

ヒューリスティックを一言で表すと「直感」となります。

この「ヒューリスティック」には”利用可能性”、”代表制”、”固着性”という三つのキーワードで細分化できます。

利用可能性ヒューリスティック

よく知っているもの、見た(聞いた)ことがあるものを利用可能性が高いと判断し過大評価してしまう思考です。

日常生活では、テレビCMでよく見かけた商品や、知り合いが使っている商品などが、コンビニのレジ横に置いてあるのを見たときに、その商品が”今必要かどうか”や”良い商品かどうか”を冷静に判断することなく手に取ってしまうといった行動を引き起こします。

代表制ヒューリスティック

代表的な一部分だけを見て全体を判断してしまう思考です。

具体例を挙げるために、クイズを出します。

サイコロを3回振ってもらいます。出る目が「1・1・1」になる確率と、「1・2・5」になる確率はどちらが高いでしょうか?

1が3回も続けて出る確率なんて低そうに感じませんか?でも、どちらも1/6×1/6×1/6=1/216 となるので確率は同じです。

ですが、「1・1・1」という同じ目が3階続けて出るという代表的な面を見て、バラバラの目が出る確率が高いように感じてしまうという誤った判断を引き起こします。

固着性ヒューリスティック

自分にとって都合の良い情報を集めて意思決定をしようとする思考です。

固着性ヒューリスティックは様々な心理効果と合わさって意思決定に影響を及ぼします。

極端の回避効果

お寿司屋さんに、おまかせ握り(並)、おまかせ握り(上)があった場合に売れる割合が半々だったとします。ここに、おまかせ握り(特上)を追加すると、おまかせ握り(上)が多く売れるようになります。

これは、心理学における極端回避効果を基にした固着性ヒューリスティックの一種です。

人間は本能的に極端な選択を避けるようにできています。並・上・特上の3段階あった場合は本能的に真ん中である「上」を選択してしまうのです

アンカリング効果

販売価格10,000円の商品が「販売価格10,000円」と表現されている場合と、「通常価格14,000の商品が特別価格で10,000円」と表示されている場合、後者の方がお得に感じないでしょうか?

これは、心理学におけるアンカリング効果を基にした固着性ヒューリスティックの一種です。

実際の販売価格のそばに通常価格を記載することで、通常価格がアンカーとなり、それと比べて販売価格が安いと感じてしまうのです

サンクコスト効果

ジムの会費や、アプリケーションサービスなど、使っていない定額制サービスを契約してままにしていないですか?

これまで投資してきた費用や労力、時間がもったいないと感じてしまい、”必要ないこと”や”損をすること”を認識していながらも、やめられないことを「サンクコスト効果」といいます

これも、心理学のサンクコスト効果を基にした固着性ヒューリスティックの一種です。

あわせて読みたい

行動経済学を活かした営業手法

それでは、ここまで勉強した行動経済学を利用した営業手法を紹介します。営業への活用は固着性ヒューリスティックを利用することが有効です。

あなただけの特別価格

アンカリング効果を存分に活用するため、目の前のお客様に”あなただけの特別価格”であることも伝えましょう。

本来の価格と、お客様への特別価格を合わせて伝えることで、本来の価格がアンカーとなって、お客様の特別価格を安く感じさせることができます。

無料お試し期間の設定

人間はサンクコスト効果の影響により、一度契約してしまえば、必要でなくても、損をすると分かっていても、中々解約をすることができません。

そんなサンクコスト効果を活用するには「無料お試し期間」の設定が有効です。

サブスクを中心としてこの手法は多く採用されています。「最初の1ヶ月無料」というやつです。

デメリットとして、無料期間だけ使用されて解約される件数は増加するかも知れませんが、一定数は無料期間が終了しても残ります

お客様への提案は3段階で

人間は極端の回避によって一番安いもの、一番高いものを敬遠する傾向にあります。

ですので、お客様への提案時には、販売価格の異なる提案パターンを3つ用意するとよいでしょう。

多くのお客様が、真ん中のプランを選択しますので、あなたが一番売りたいプランを真ん中にセットします。

まとめ

人間は通常、様々な情報を取捨選択し、合理的な判断を行なっていきます。しかしながら、様々な場面において、とても合理的とは言い難い選択をするケースも少なくありません

これらの行動について経済学と行動心理学を掛け合わせて不可解とも言える行動の説明をするのが行動経済学です。

行動経済学は人間の意思決定の仕組みを解明する学問であり、ビジネス、特に営業において活用することができます

新規の顧客獲得や、売りたい価格帯を選択させる方法を解説しましたが、応用次第で使い方は無限大です。

行動経済学に基づく、あなただけの営業パターンを習得することで、他の営業マンとの差別化やお客様からの信頼獲得につなげていきましょう。

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