営業に関する書籍や、セミナーなどで営業で成果を出すには「お客様から信頼されることが重要」と、よく言われています。
ですが、「顧客から信頼される」というのはどういうことでしょうか。
「顧客から信頼される」ためには具体的に何をしたら良いのでしょうか。
この記事では個人・法人営業を10年経験後、営業担当者の評価や指導を行なっている私が、営業担当者が顧客から信頼されるためのポイントとメリットを解説します。
信頼とは
信頼とは読んで字のごとく、「信じて頼りにすること」、「頼りにできると信じること」です。
似た言葉として「信用」がありますが、信用とは「確かなものと信じて受け入れること」です。
「信用」は過去の実績を基にして、「この人なら信じられる」と思うことであり、「信頼」はその人と接した感覚(見た目、話し方、話す内容)を基に「この人は頼りにできる」、「頼りになる」と感じることです。
信頼される営業マンの特徴
営業マンにとっての「信頼」とは、大きく分けて2種類あります。それは、「人間的信頼」と、「アドバイザー的信頼」です。
人間的信頼
お客様はあなたの、「見た目」、「話し方」、「話す内容」であなたが信頼できる人かどうかを判断します。
そして、人の第1印象はアメリカの心理学者であるアルバート・メラビアン氏によって提唱されるメラビアンの法則では見た目が55%、声の大きさやトーンが38%、話の内容(話し方)が7%を占めると言われています。
信頼感を得られる見た目
第1印象が最も重要となる営業マンであれば、きっちりとしたスーツを着用し、きれいな靴を履いて、しっかりとしたかばんを持つ必要があります。髪型やひげの処理にも気を配りましょう。
見た目の印象は能力やセンスと違って、気を付ければ誰でもできることなので、やっていないだけで大きくマイナス印象を受けることから注意が必要です。
特に営業マンであればスーツと靴はちゃんと選びましょう。
信頼感を得られる声の大きさやトーン
営業マンの話し方のポイントとして重要なのは、落ち着いてゆっくりとしたトーンで話すことです。
焦って早口で話すあなたの姿を見たお客様は「この営業マンは自分に自信がないんだな」という印象を受けます。
自分に自信が持てない担当者に他人が信頼をよせることはありません。
「信頼」とは”信じて頼りにすること”、”頼りにできると信じること”でしたね。
自信を持って業務にあたれない担当者を「信じて頼りにする」ことができるでしょうか、「頼りにできると信じること」ができるでしょうか。
極端な言い方をすれば、自信を持って業務にあたる、優秀な営業マンを演じることが重要となるのです。
信頼感を得られる話し方
話す内容でお客様から信頼を得るには、ある程度の営業経験や一定の業務知識が必要となります。
しかしながら、話し方は違います。会話の型(話法)を知ることで、トップ営業マンのコミュニケーション方法を習得することができます。
ビジネスに適した話法はいくつかありますが、ここでは型を知るだけで誰でも再現可能な話法を2つ紹介します。
PREP法
PREP法は本来、ビジネスにおける文章構成の型です。しかしながら、このPREP法は話法としてもとても優秀です。
PREP法とは
- P:PIONT(結論)
- R:REASON(理由)
- E:EXAMPLE(具体例)
- P:POINT(結論)
の頭文字をとった文章構成方法であり、この順番で文章を書くと納得感があり、簡潔で分かりやすい文章ができます。
具体的な話法としての活用方法は、
- 営業話法としてPREP法がおすすめです。(結論)
- なぜならば、分かりやすく伝えることができるからです。(理由)
- 例えば、こんな感じです。(具体例)
- だから営業話法としてPREP法がおすすめです。(結論)
話法として活用するには赤字の接続詞を意識して使用すると簡単に再現できます。特にお客様に対する提案を行なう際に、この話し方が有効となります。
拡張話法
拡張話法は雑談力を高め、相手から話を聴きだす時に有効な話法です。実践方法はとても簡単で、次の5ステップで再現可能です。
- 感嘆
- 反復
- 共感
- 賞賛
- 質問
これらを意識して、お客様と会話をすれば、相手はリラックスして話易くなり、会話が弾むようになります。
具体的な会話の展開方法は、
顧 客:毎日運動するようにしてるんです。
あなた:(感嘆)へぇー。(反復)毎日運動しているんですね。
顧 客:そうなんです。
あなた:(共感)毎日運動したら体調も良く、体型もキープできて良いですよね。
顧 客:油断すると中年太りしますからね。
あなた:(賞賛)でも、毎日運動できるなんてすごいですねぇ。(質問)どうやって継続されているんですか?
アドバイザー的信頼
皆さんがお客様として訪問する企業は中小企業がほとんどだと思います。中小企業の経営者は、社内に相談できる人がいない場合が多いです。
それは、その企業の全ての責任を負う立場であり、社内の人間は社長には本音を言わないことが多いからです。相談内容が深刻であればあるほど社内の人間に相談できないものです。
そんな時に良き相談相手、ビジネスパートナーとして候補に挙がるのが会社に訪問している営業マンとなります。
ですので営業マンに対して、業界の専門家としてアドバイスを求めていることが多いのです。
信頼されるメリット
情報や人が集まる
「信頼されている担当者」はお客様から相談を受けるようになります。加えて、お客様を紹介してくれることもあります。
それは、「この人なら相談すればなんとしてくれる」と思われていることから、自然にお客様の情報や、業界情報などが集まってくるのです。
つまり、「信頼されること」は情報や人があなたの周りに集まってくることにつながるのです。
生産性が高まる
お客様から相談を受けたり、他のお客様の紹介を受けるようになったあなたは、効率的に成果を上げることができます。
それは、営業マンが通常行なっている、お客様に対するニーズ喚起であったり、情報を獲得する活動を行なう必要がなくなるからです。
信頼される営業マンには情報も相談もお客様から集まってきます。
こうして効率的に成果を上げることができるようになったあなたは、より一層仕事に対して前向きになれます。
つまり、好循環が加速することになるのです。
信頼されないデメリット
信頼されることによるメリットはいくつかありますが、信頼されないデメリットは一つだけです。
それは、あなたの話を聞いてもらえないことです。
あなたが、どれだけすごい話術を持っていても、どんな知識を持っていても、あなたが信頼されていなければ、話を聞いてもらえません。
つまり、あなたの話術も、知識も経験も信頼されてこそ活用することができるのです。
まとめ
営業マンに対する信頼感は2種類あります。「人間的信頼」と「アドバイザー的信頼」です。
信頼を得るには
- 見た目
- 話し方
- 話す内容
が重要です。
特に見た目では第1印象が重要となります。第1印象はスーツの着こなしや、身に付けているもので印象付けられます。
意識次第で改善できる部分なので、できていないだけで大きくマイナス印象を与えるので注意が必要です。
話し方は、話法の型を知るだけで一流のトークをマネことができます。
見た目と話法で信頼を得ることができれば、あなたの周りには情報やお客様が集まってきます。
そうなれば、効率的に成果を上げることができ、より一層、仕事に前向きに取り組むことができます。
つまり、エンペラータイムに突入するのです。
逆に信頼を得ることができなければ、成果を上げられないばかりか、話しすら聞いてもらえません。
信頼されないことのデメリットは、たった一つですが、その一つのデメリットを回避するために最大限の努力をする必要があるのです。
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