法人営業の業務内容
営業の仕事は、自社の商品・サービスを、お客様のもとを訪問して販売、契約を取ることでお客様の役に立つ、とてもすばらしい仕事です。
「営業をやりたい、やってみたい」という方に勘違いして欲しくないのは、営業は物を売ることが仕事ではないということです。
自社の商品・サービスを売ることが目的だと考えて営業をやっていると、セールスすること自体に罪悪感を感じようになり、あなた自身が苦しい思いをすることになります。
営業の本質とは「あなたの会社で取り扱っている商品・サービスを活用して、お客様に利益をもたらすこと、お客様の課題を解決すること」です。
お客様の役に立つ仕事である認識を持ってください。
そんな営業の仕事の中で、取引対象を大手や中小企業に限定して営業を行うのが法人営業です。
法人営業では、取り扱うプロジェクトや、契約金額が大きくなり、会社への業績面の貢献度合いが大きいことから、営業部署の中でも優秀な担当者が集められていたり、花形部署として扱われていることが多いです。
そんな、法人営業担当者の業務は大きく分けて以下の2つです。
・新規開拓業務
既存顧客へのセールス業務
通常業務の中心となるのが、既存顧客へのセールス業務です。
これは、自社の取引先である企業に対する商品の販売や、サービスの提供をする業務です。
業種や担当地区の広さによっても異なりますが、1人の営業担当者が50~100社程度の担当企業を持ち、適切なタイミングで適切な商品のセールスをすることで成果を上げていきます。
既存取引先へのセールスは、お互い信頼関係が構築できていることが多く、営業担当者の提案を聞いてくれる場合がほとんどです。
なので、営業担当者は会社ごとに提案する適切な商品、時期等を把握し、営業を実施していきます。
既存取引の場合、担当者によっては、お客様と仲良くなって、業務外でのゴルフや、飲食に誘われるケースもあります。
大抵の場合、取引相手は社長ですので当然、ご馳走してくれます。
新規開拓業務
新規開拓業務は、現在、自社と取引のない会社に対し、営業を実施する業務です。
長年営業業務を実施している職員であっても、新規開拓業務は精神的にしんどいと感じる担当者が多くいます。
その理由は、門前払いが圧倒的に多いことです。
飛び込み営業の場合30件回っても、代表者や権限者に会えるのは3件あるかないかです。
しかも、会えたとしても個人営業と違って、即決で成果が上がることはまず、ありえません。
それは、個人顧客の場合は権限者が奥様だったり旦那様だったりするわけですが、その人が「買う」と言えば契約・販売できます。
しかし、法人の場合は違います。
一般的には法人の場合、予算と権限がありますので、担当者が決められません。
権限者と話しをしていたとしても社内稟議で可決を取らないと契約することができない場合がほとんどです。
ですので、新規開拓営業は、数多くのお客様を訪問し、冷たい門前払いを受け、更に成果が上がるまでに時間がかかる業務として営業担当者からも嫌がられる業務となっています。
・既存取引先へのセールス
・新規開拓業務
必要な能力
法人営業を行うには様々な能力が必要です。
以下に一例を上げて解説します。
・柔軟な発想力
・コミュニケーション能力
・時間管理、スケジュール管理能力
問題検地、課題解決能力
法人営業の業務は、お客様に自社のサービス・商品の販売をすることです。
サービス・商品を販売するといっても、自社の利益や、自身の出世のために「買ってください」と言っても誰も契約してくれません。
自社のサービス・商品を売るには、お客様にそれらを買うメリットを提供しなければなりません。
そこで重要となる能力が問題検地、課題解決能力です。
営業担当者は日頃のヒアリングや、何気ない雑談の中から、「お客様の困りごと」を把握する必要があります。
そして、把握した「お客様の困りごと」に対して自社商品の販売や、サービスの提供によって「困りごと」の解決を提案することで、サービス・商品の成約につなげるのです。
柔軟な発想力
先ほど述べた、課題解決につなげるアイデアは、営業担当者自身で考える必要があります。
お客様の課題や、ニーズを検地できたとしても、課題解決に向けた自社商品、サービスの活用案が思いつかなければ、お客様の求める提案をすることはできません。
また、お客様の中で「こうしたい」といった、顕在化されたニーズは、一般的に価格競争になる傾向にあり、資金力のある大手との価格競争に陥らず、お客様に喜んでいただける提案をするには、柔軟な発想力による、潜在ニーズを満たすような提案をする必要があるのです。
コミュニケーション能力
お客様とのヒアリングや雑談を通じてお客様の課題、悩み、困りごとを把握する必要があることは説明しましたが、それらのネガティブ情報は、お客様からあまり口にしません。
そこを、あなたのコミュニケーション能力で引き出すことが、必要となるのでコミュニケーション能力は必須となります。
しかし、コミュニケーション能力が高い=話好きではないことに注意が必要です。
法人営業の場合には、どちらかと言うと、聞き上手でなければいけません。
多くの言葉をお客様から引き出して、その中にある潜在的なニーズを掘り起こしていくことが、営業マンの基本業務となるからです。
時間管理、スケジュール管理能力
多くの企業の営業マンはスケジューリングは担当者任せです。
朝礼や夕礼で、訪問予定先や訪問結果の確認をする企業もありますが、日中は担当者が全てのスケジュールを決めます。
予定外に商談が長引いてしまったり、突然のキャンセルがあったり、何度もリスケジューリングを行いながら、営業活動の最適化を目指して行動をしていくために時間管理、スケジュール管理能力が必要になります。
・問題検地、問題解決能力
・柔軟な発想力
・コミュニケーション能力
・時間管理、スケジュール管理能力
まとめ
法人営業の主な業務は既存先へのセールスと、新規取引先の獲得です。
どちらの業務を遂行するにも、「問題検地、問題解決能力」、「柔軟な発想力」、「コミュニケーション能力」、「時間管理、スケジュール管理能力」が必要能力として求められます。
それらの脳能力は決して先天性のものではなく、常に意識をもって、訓練を行うことで誰でもできるようになります。
また、法人営業は成約までのハードルが高い分、達成感も大きく得られるのが、やりがいとして挙げられる一例です。
昨今のITの発展により個人営業はネット集客等にシフトしている企業が多くある中でも法人営業は今後も継続することが予想され、法人営業担当者の需要、価値は高まっていくものと考えます。
報酬については、業種により歩合や能力給、役割給等の違いがありますが、個人営業と、法人営業を行っている企業では、法人営業担当者のほう方が、報酬が高く設定してある(あるいは能力が高いから報酬高い)ケースが多いようです。
せっかく興味があるなら、難しくても達成感が得られ、どこの会社にいっても重宝される法人営業にチャレンジしてみましょう。
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